第8章 三組織異能力戦争
中也は二人を連れて執務室に戻った。
「葉月、首領に付く前に何が何でも敵の人相を割り出せ。広津、黒蜥蜴と構成員、直ぐに出られる様に準備しろ」
「「判りました」」
直ぐに広津は部屋を出て行った。葉月も机に戻り、パソコンを操作する。中也は締められたブラインドの隙間から外を見た。外は薄っすらと明るくなって来ていた。
「葉月、仮眠取ったのか?」
「中也が寝てる間に誰か来ても拙いと思ったから取ってないよ」
「…俺の所為みてぇじゃねぇか」
「ほら、苛々しない。時間ないから仕事するよ」
中也は煙草に火をつけて仕事に戻った。
暫くすると、葉月が一枚の写真を持って来た。中也に其れを渡す。
「……こいつか」
「間違いないと思います」
写真には組合の構成員と思われる男の姿が写っていた。中也は写真を持って立ち上がると支度を始めた。
「葉月は首領の処に行け。俺達も出る。ヘマするなよ」
ニヤリと笑う中也に「大丈夫だよ。気を付けて」と告げる。中也は「おう」と応えて部屋を出て行った。
部屋に一人で残った葉月は、耳にインカムを付け首領の部屋へ向かった。