第4章 西方組織抗争
(それは許せない)
私は両腕を前に出した。
「ほう…」
男は立ち止まり面白い物を見る目で笑っている。
「葉琉の邪魔をするのは許さない!」
私の周りには無数の氷の礫が出現した。それを同時に男に向けて放った。
命中した勢いで男は数歩退いた。
「面白い、とても面白いよ。でもまだ完全では無いね」
「ッ!?カハッ!」
口から出たのは血だった。
私はぼやける視界の中で男を睨んでいた。
「其処にいるのは君の成長に成らないと思っていたが、そんな事もなさそうだね。もう少し見守らせて貰うよ。妹さんもね。
それと今回の抗争の件だが、私は手を引かせて貰う。もう私には戦う理由が無いからね」
男は振り返り歩き出した。
「また迎えに来るよ」
そう言い残して。
私の意識は其処で途絶えた。
最後に中也の声が聞こえた気がした。