第2章 ***
*
「和希くんでも風邪引くのね」
「…どういう意味ッスか」
その日俺は朝から熱を出し、一日中寝込んでいた。
バイト先にも「休ませてほしい」とさっき連絡したところだ。
そんな俺の看病をしてくれているのは、カノジョの麻衣ちゃんではなくはるひさんで。
「…どう?少しは楽になった?」
「はい…おかげさまで」
俺の為にお粥を作ってくれた彼女。
それを残さず食べ市販の薬を飲むと、一時的に熱も下がり朝よりだいぶ楽になった。
意外にも(?)家庭的なはるひさんの一面が垣間見え、そんなところも魅力的に感じてしまう。
「…こっちもお世話してあげようか?」
「……、」
悪戯っぽく笑う彼女が撫でるのは俺の下半身。
そう言えばここ5日間ははるひさんが出張に行っていたので、当然彼女とはシていなかった…正直少し溜まっている。
「今日は私がしてあげる…」
そう囁かれれば、俺のモノは自然と元気になってしまって…
「…はるひさん……」
「ふふっ…もう我慢出来ないって顔ね…。風邪引いてるくせにココは元気なんだから…」
「っ…」
それから俺は熱があるにも関わらず、また彼女と体を重ねてしまった。
初めははるひさんがリードしてくれていたが、我慢出来ずに彼女を押し倒し後ろから攻めまくる。
「ぁんっ…もぅ…っ…、そんなに激しくして……熱が上がっても知らないわよ…?」
「だって…、我慢出来ないッ…」
「…ホントにしょうがない子なんだから…っ…」
*
(…和希くん、大丈夫かな?)
バイトが終わった私は、彼の家へ向かっていた。
さっきメールをしてみたが返事は無くて…
(なんか最近、和希くんの様子変だよね…)
一緒にいても上の空って感じだし…私といても楽しくないのかな…?
彼の部屋の前に立ち、インターフォンを鳴らそうとしてその手を止めた。
確かこのインターフォンは壊れていると前に和希くんが言っていたからだ。
(…あれ……開いてる?)
何の抵抗もなくあっさり回ったドアノブ。
『ぁんっ、あぁんっ…』
『…はるひさんッ…!』
「……、」
(…か、和希くん……?)
私は中で何が行われているかも知らず、開けてはいけないその禁断の扉を開けてしまうのだった…
了