第9章 た、逞しい腕ですね
見つからないから探してたのに…
近くに居なかったはずなのに狂気が…?
「ふふ、お前を観察していたが幻覚の私の腕を誉めていて滑稽だったよ」
『せ、性格悪すぎ…!』
「まぁ、怒るな
せっかくここに来てくれたんだ」
『何…?』
「すこし実験をさせてくれ」
実験!?いやいやいや!
危ないことしたく無いんですけど!?
『あー、断ってもいいですか?』
「…別に良いがそれに見合う物が欲しいな」
『えぇ…無理ですよ』
「ならば実験させてくれ」
くっそ!ニヤニヤ笑いやがって~!
ってか強制的に笑ってるけどさぁ…
『あの…痛いですか?』
「…さぁな」
『ひえっ』
「まぁほんの一瞬だ
目を瞑って全身の力を抜け」
がっしりと後ろからホールドされ動けない
これは観念するしか…
(ってレイスの時みたいじゃん!)
言われた通り目を瞑って全身の力を抜く
スッと顔に暖かいものが乗る
これは…ドクターの手?
…ちょっと鉄臭い
「やるぞ」
『…了解です』
グッとドクターの手に力が入ったかと思うとピリッとした感覚が全身に…
そう、まるで麻痺をしたかのような感覚が全身を駆け抜けた
『んっ…!?』
「…もう少しで終わる」
一瞬だけ頭とお尻…って言うかお尻の上?らへんがムズッとした変な感じになった気がする
しばらくして手が離され顔が軽くなった
「ふむ…フフ…
立ってみろうさみ」
『う、う~…痺れたァ…』
少しふらつきながらも立ち上がってみる
何も変わってないような?
「くっ、フフ…実験は失敗だったな」
『は!?何をしたの!?』
何笑ってやがるお前!
失敗って!
「イケニエ達を動物にすれば捕まえるのが楽かと思ってな…
フフ…ちょっと、これは可愛いな」
動物!?
『何!?何が変わったの?』
そんな笑われるほど私の見た目は可笑しくなった!?
「フ、フフフ…頭と腰を触ってみろ」
慌てて頭を触ると何かが…何かが私の頭の上に!
こ、腰、腰!?なにこれ!?
『わああああああああぁぁぁぁ!?』
「クフ…耳と尻尾が生えたな」
これは所謂漫画とかで起きるアレ!?
ま、まさか自分の身に起こるなんて…!
こ、こんな姿は誰得なの!?うぅ~!酷い!
『笑ってないで治してよ!』
あ、ちょっと涙出てきたわ
精神的ショックを又しても受けたなコレ