第9章 た、逞しい腕ですね
薄気味悪いなぁ…
挨拶周りが終わってないから再開したけどさぁ
テカテカ電気が光って怖いし薄暗いし…
本当に此処にドクターって人が居るの?
こんな所に居るとか趣味悪すぎるわ
地図から見て今居るここら辺が真ん中っぽいね
見当たらないけど何処に居るんだよドクター
もし、レイスみたいな奴だったら…
ウゲェ~あの時を思い出しちゃったや
アイツはマジでキモい
鳥肌止まらないよアレは
若い女だったから襲うとかマジ者の変態だよレイス
っと、無駄なことは考えないで探さなきゃ…
深くフードを被り辺りを探しに足を踏み出した時
後ろから気配が感じたような…
(また唐突な急展開になりやがって!)
いやいや!まさか気配だなんて…
厨二病じゃないんだからそんな馬鹿な
『ファ!?』
「…」
マジで居たのかよ
エッ、何その目、口
腕にチューブ?みたいのあるんですけど
そういえばトラッパーは腕に変なの刺さってたな
ここの流行りなのソレ?
痛々しくて流行りに乗れない…ってか乗りなくねぇよ!
ジ~っと目が合っているし喋りにくい
だが喋らなきゃ意味無いじゃん!?
『やぁ?逞しい…あー…その、腕だね?』
「…」
何を言ってんだ自分ンンンンンン!!
初対面に言う台詞がおかしすぎるでしょ!
挨拶、挨拶をしなくちゃ!
「おや、お前は確か…」
う、後ろから声がする!?
…振り替えったら誰か居るとか?
本当に居るウウウウウ!?
「うさみ、って言ったか
確かハントレスの娘…」
『貴方がもしかしてドクターさん?』
「ご名答…いやはや、申し遅れた
私はここでドクターと呼ばれている者だ」
『は、はひっ…
あの…ドクターさんは何故二人居るんですかね?』
二人?とドクターはうさみが指をさす方向を見て小さく笑った
「これは本物の私ではない
狂気によって幻覚として産み出された私だ」
『き、狂気?』
立ちながら話すのはアレだ、ここに座りなさい
と、ドクターの膝の上に座らせられて少し戸惑う
「まぁ私の近くに居ると狂気が溜まって狂うんだ
別にキラー側にはそこまで害は無いが普通の人間には少々…キツいかもな」
キ、キラー?
なんのことかサッパリだけど幻覚を見たのはこの人が近くに居たからか
…あれ?