第7章 男子会+自分
トラッパーはグムム…と悩んでおり、ずっと固まったまんまだった
隣でマイケルはチョッカイをかけてくるフレディにイライラしながらも刃物の手入れをしていた
自分は空になったお皿とカップを見て片付けなければと、腰を浮かした
飲み物とかのおかわりは出したいけど沢山消えると流石に生活の支障が出そうなので止めといた
大きい皿とカップを集め、水が出るところ(この家に流しは無い)に運ぼうとした時ふと思った
なぜトラッパーはレイスをマトモだと信じたいのか
疑問に思いながらもお皿に水をかける
もしかしてトラッパーはレイスのことが…?
「食器を貸せ。手伝う」
『わっ!?ト、トラッパーか…じゃあこのカップ洗っといて』
いつの間に後ろに居たのか…
音すら発てずにに後ろに立つとは…やるな
しかしこれは聞くチャンスではないだろうか?
『…質問いい?』
「あぁ」
『どうしてレイスを…その、マトモだと言い張るの?
レイスのことが好きなホモなの?』
「ふざけるな。決して俺はホモでは無い」
そう言いながらも太くしっかりした指で器用にカップを洗うトラッパー
話している間にお皿が洗い終わり残ったカップに手を伸ばす
『じゃあ…どうして?』
「レイス…彼は俺の良き理解者であり、友人だ
俺は彼のことを信頼しているし憧れてもいた…」
『ふぅん』
そんな関係だったのか
信頼してる奴がこんな変態だと知ったら嫌になりそう
「この世界に来た時からマトモな奴は俺を含めて誰も居ないってことは分かってたはずだ
儀式とかいう馬鹿げたことを繰り返し、同じ人間を殺める
狂った世界にマトモなんて存在しないってことぐらい分かってたはずなんだ…」
ちょ、シリアスな雰囲気出すの良いけどアンタも人殺してたの!?
だから腕とかが赤いの!?
あれ?もしかしてママ達も殺人鬼…?
『ちょ、とりあえず全部のカップ洗い終わったし家の中に戻ろっか』
「そうだな」
家の中に入りながらボンヤリと思った
とりあえず私はこの世界のこと、皆のことを知らなすぎる
いや…知らぬが仏ってやつかもしれない
トラッパーは狂った世界に飲み込まれないように“マトモ”な誰かに依存することを無意識にしていたのかもしれない
…なんてね
そんなことないかな