第13章 子捨て妖怪
魅菜
「また雨…」
最近、妖界でも梅雨らしく雨ばかりだ。
(洗濯物…今日も家干し…)
※一応、真っ暗な世界だけど雨が降っていなければ、洗濯物は気持ちよく乾きます。
〈ブスッ!てめぇー!便所のクソ紙切らしてんじゃねぇーよ!
魅菜
「あっ!いけない…」
買ってこよう買って来ようと思ってはいたけれど、
誰かさんが刺した背中の傷がまだ痛くて、
そこまで気が回らなかった。
なのに厠から思いきり私に怒鳴る黒さん。
魅菜
「ごめんなさい💦すぐ買って来ます!!」
〈いや💦ごめんっ!ちょっとイライラして言っただけだから!
いいから!俺が行くってん……
魅菜
「行ってきます…」
私は、クロウさんから渡されたガマ口のお財布を持ち家を出た。
(いつまでも生活費…払っていてもらって悪いな……)