第8章 お見合い
魅菜
「……」
(嫌だ…)
思わず下を向く私。
紅楼丸
「ん?どうした。」
紅楼丸さんが私の顎をクイッと摘みあげる。
魅菜
「……」
言葉が出て来ない。
(結婚するなら…好きな人としたい……
妖怪でも人間でも…ちゃんと恋愛してから……)
紅楼丸
「おい、どうした?
俺の嫁になったあかつきには不老不死が約束されたもんだろ?」
魅菜
「…私…不老不死なんて興味ありません。
この妖界には拐われて来たんですから……
だから、私…紅楼丸さんを心底愛せな……」
紅楼丸
「お前は望んで来たのじゃ無かったのか!」
強い口調で責められる。
魅菜
「はい…ですので他の女性を選んだ方が……」
紅楼丸
「そうか……」
紅楼丸さんは、
とっくりをお膳の上に置くと、
私を抱きしめた。
紅楼丸
「さぞ俺たち妖怪を怨んでいるだろ?」
私は嘘がつけず、頷く。
紅楼丸
「だが、どうしようもない現実を目の前にして、
怨み続けるなんぞ…悲しすぎる。
ならば俺がお前の気持ちを変えさせてやる。
俺の嫁になれ!」