第17章 いつぞやの会話-平等編-

「ナナバ」

「あ、兵長。お疲れ様」

「あぁ…」ちら

「今日はもう上がりです？」

「あぁ…」ちら

「…？」

ちら、ちら

「あの…？」

ちら、ちら

(…私の腕を見てる？)

「今日も暑いな」ちら

「確かに(ふふ。兵長小さいから、ちょっと見下ろす感じ)

「明日もだろうな」ちら

「ですね(あ、ちらっとつむじが見える…)

「そんなもの、脱いだらどうだ」ちら

「兵団服は仕方ないですよ(つむじ…か、可愛い！)

「……二の腕」

「はい？？」

「二の腕を、触らせろ」

「二の腕…(あ、そういえば前にもあった。あの時の続きかな？)

「おい。いいのか、悪いのか」

「あ、えぇっと…(うん、あまりよろしくはないよね。でも、確実に遊んでる感じだし、だったら少しくらいは付き合うべきかなぁ。う～ん…)

「どうなんだ」

「そんなに触りたいんです？私の二の腕」

「あぁ」

(まいったな…どうしたら…。よし)

「おい、ナナバ」

「…交換条件、ならいいですけど」

「なに…？」

「ほら、一方的なのはフェアじゃないなって」

「……何だ」

「え？」

「お前からの条件は何だと、聞いている」

(どうしよう…正直そこまでして触りたがるとは思わなかった。交換条件と言えば引いてくれるとばかり…)

「…おい」

(困ったな…どうしたら諦めてくれる？それとも、開き直って無茶ぶりするか…)

「さっさと決めないか」

(……よし)

「さもないと、勝手に触るぞ」

「つむじ…」

「あ"？」

「つむじ。触らせてくれたら、いいですよ」

「……」

(まぁ、流石に無理だよ。だってあの兵長だし。しかもつむじ…)

「いいだろう」

「え？」

「好きなだけ触れ」

「ウソ…」

「おい、自分で言っておきながらウソとは何だ」

「いや、意外だなって。ちょっと驚いただけ」

「…交換条件、だったな」

「そう」

「だったら当然だろうが」

(結構律儀というか、まめというか、優しい人だよね)

「上着を脱げ」

「はい。っと、これでいいかな？」

「あぁ」むにむにむに

「よし、私も。あ、少しだけ下向いてもらえます？」

「…これでいいか」

「ありがと。えい」つんつんつん

「………」

「つ、む、じ～」

「…二の腕」

「ぷっ」

「…ふ」

fin