第1章 。
なんだか凄く体が軽くなった
遠くで鐘が鳴り響いて
懐かしい面々がぼんやりと見える
肉体を手放したはずの彼らが見える
まるで私を誘うかの様に花が道を作っていく
身体中の痛みが無くなり
空腹感も存在しない
不思議な空間にいる
そこで目が覚めた
先程までの軽さも花も全て夢だった
また外からの騒音が頭に響き
体のそこかしこが痛みを伝えてくる
ペンを握ろうとしても上手く握れない
何故か手を掠めてしまう
そしてとてつもない睡魔に襲われている
風邪をひいている時のような感覚
それでもあと少しだけど日記に書きたい文字がある私は
両手と口を使い
必死の思いで文字を綴った
またあの鐘が聞こえる
まるで呼ばれているかのように鳴り響いている鐘に向かい
私は走り出した。