第2章 調教
「ん…」
灯翠は、目を覚ました。
ここは…どこ?
今まで何をしてたのだろうか。
しばらく考えて、灯翠ははっとする。
自分は、買われたのだ。
あの恐ろしい光景を見たあと、会場へ向かわされ、檻の中で首輪を繋げられて、競りにかけられたのだ。
灯翠は、ベッドに拘束されていた。
仰向けの状態で、M字開脚にされ、足枷で固定されている。手もベッドの柱の両端にそれぞれ繋がれ、身動きがとれない。
目隠しをされ、口にはボール型の口枷をはめられていた。
しばらくして、音が聞こえた。
ドアの開く音。続いて、足音。
「気がついた?」
若い男の声だった。
「今日から僕は、君の主人…
大丈夫、すぐ怖くなんてなくなるよ?」
甘ったるい声。
だが、灯翠にとっては恐怖でしかなかった。