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愛欲ノ奴隷【R18】

第3章 脱走


男の家は広かった。

性奴隷を買えるくらいだから、金持ちであるのはわかりきっているが、逆に家が広ければ男に出くわさずに外へ出られるかもしれない。

灯翠は足音をたてないように、廊下を移動し始めた。
玄関ではなく、窓からなら、出られるかもしれない。

しばらく歩いていると、廊下を曲がった突き当りに大きめの窓が見えた。

あの大きさなら、出られる!

灯翠は窓へゆっくりと向かった。そして、なるべく音をたてないように、窓の鍵を開き、窓を―

「なにしてるの?」

灯翠の身体に、寒気が走った。

「まさか、逃げようなんて、思ってないよね?」

灯翠はゆっくりと振り返る。
男が、にこやかに笑っていた。しかしその目は、その眼光は、怪しく光っている。

「いや…あ…」

灯翠は後ずさった。
後ろはもちろん、行き止まりだ。逃げられない。

「逃げようと、してたんだね?」

「あ…ちが…」

灯翠は、ゆっくりと、自分の手を前に出した。

「縛って…ください…」

男が、にやりと笑う。

「いい子だね。でも、お仕置きは必要だね?」
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