第3章 甘いカステラ
「えーっと、どちら様ですか?」
「おい、はぐらかしているんじゃねぇよ。」
だ、だって怖いんだもん!目の前には、今を輝くヒーローである黙っていればイケメンな人がいる。
ある企業で受付と秘書の仕事をさせてもらっている私にはちょこちょこと会う機会があり、仲良くしてもらっている怖いけれど。
今日は受付をやらせてもらっているが、まさかいるとは思わなかった。
「咲、定時で帰って着替えてこい。飯行くぞ。」
「ばくご……爆心地さん、それはナンパというものですか!?」
「んわけねーだろ。」と真面目に引いた声で言われて少し心が痛くなった。爆心地、名前は爆豪勝己。プライベートの方では爆豪さんと呼ばせてもらっている。
今日の仕事は、比較的にすぐに終わるので爆豪さんの仕事終わるまでには着替えがすんでいるはず。
私の返事なしに、出ていってしまった爆豪さん。隣にいる一緒に仕事している人から「やるじゃん。いつも思っているんだけど、爆心地さんのお気に入りだよね。」と言われた。
お気に入りというか……なんというか、趣味で繋がったけれども、意外と純粋で真っ直ぐな男性ですよ。となんて言えずに笑って流しておいた。