第8章 曖昧な関係
"顔を上げろ"
そんなすばるくんの言葉に
上を向くと
すばるくんはまっすぐ私を見つめてて
「お前が悪いんやぞ…?」
そんな言葉を小さく吐き出して
訳がわからずに
「すばるくん…?」
そう名前を呼ぶ私の唇に
キスをする
何度も何度も優しく荒く触れる唇に
息もできなくて
やっと唇が解放されて空気を吸い込むと
次の瞬間
すばるくんの唇が首筋に触れて
身体中にビリリと電気が走る…
”ん…"と甘く漏れる吐息が
なんだか自分の声じゃないみたいで
少し怖くなって
「すばるくん…」
そう必死に名前を呼ぶと
すばるくんは私の首筋から唇を離して
今にも泣きそうな私の顔を見つめて
また小さなため息を吐き出して
「次…人のこと誘惑したら
止めてやらへんぞ…?」
そう言うと
私のことを抱きしめて
何ごともなかったかのように
目を閉じた…