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月の囁き

第8章 曖昧な関係


こんな時は

いつだってそうだ.

"ぽん"っと情けない音を立てて
現れては


「なーにを情けない顔しとんねんお前は!?」


情け容赦ない言葉を投げかけてくるから…


さっきまで強張っていた体から
力が抜けて


「信ちゃん…?

会えて嬉しいけどここ…女子トイレだよ…?」


そう言って笑うと



「大丈夫や、そこは!

お前以外のやつには俺の姿は見えへんからな-?

お前が独り言喋ってる変なやつに見えるだけや笑」



なんて…

信ちゃんはなぜか自信満々に言い放つ笑


そんな信ちゃんが可笑しくて


「そうか…じゃあ、安心。

って…私だけなんか損してない笑?」


そう言ってケラケラ笑う私に



「笑えるやんけ…

ていうかもうお前ずっと笑っとけ!

お前はほんま俺がおらんかったら
辛気臭い顔ばっかしてからに

手のかかるやつやなぁ?」



そう言って私の頭を

くしゃくしゃと優しく撫でる…



口が悪いくせに

ちゃんと私を見てくれていて

必要な時にはいつだって

そばにいてくれる…





迷惑ばかりかけてしまうのに

いつだって優しい

大好きな天使の信ちゃん



「ありがとう…

大好きだよ…信ちゃん…」



そう言って

ひらひら揺れるワンピース姿の

少しかっこ悪い信ちゃんに抱きつくと




「なんやねん…

俺の溢れる魅力にやっと気がついたんか笑?」


なんて言葉と一緒に

ふわりと抱きしめ返してくれる

優しい腕に



いつもいつも私は

助けられてるんだよ…?
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