第1章 私が死んだ日
その日私は…
放課後
誰もいなくなった
学校を飛び出し
大好きなアイドルの
コンサートに行くために
必死に走っていた…
どうして今日に限って
授業中にした居眠りがばれて
居残りなんて
させられるはめになるんだよ(涙)?
つまらない数学の公式なんて
普通に聞いてるだけでも眠たくなる…
それなら今日は
余計に仕方ないじゃないか!!
だってあの人に会えるのが
楽しみすぎて
眠れずに朝を迎え
ただでさえ寝不足で働かない頭に
聞こえる先生の声は
子守唄そのものなんだから!!
息が苦しくなるのも気にせず
全力疾走して
赤信号で立ち止まった交差点…
あの人の歌声が頭の中で
エンドレスにリピートする…
早くあの人に
会いたい…!
会いたい…!!
会いたい…!!!
信号が青に変わり
前だけを見つめて
勢いよく走りだした私は
ドンっという鈍い音と
一緒にふわりと空に舞い上がった……