第4章 全身ラジオ〜幼馴染みの話〜
【幼馴染みの話】
「あのさァ」
「うん」
「めっちゃ気になってることがさー、あるンだけどさァ」
「お、今回はキヨくんパターンだぞ、皆」
「レトさんってさァ、可愛い女の子の幼馴染みいるらしいじゃん。妄想の」
「妄想じゃねえよ、現実に居るよ」
「その子のことをさ、『ほんまな〜♡ めっちゃごっつかわええんよ〜♡♡』って鬱陶しいぐらい自慢してくるじゃん、俺に」
「慣れない関西弁やめろや」
「妄想の幼馴染みを」
「妄想じゃない」
「よし、では実際に存在すると仮定して話をしましょうか」
「俺を現実と妄想の区別がつかない可哀想な男みたいに仕立て上げて話し続けるのやめて、ほんまに居るから」
「で、どのくらい可愛いの?」
「ど、どう?」
「例えば、女優やアイドルに例えると誰々に似てるとか、幼馴染みのモテモテエピソードとか。そんなに可愛いんだったら何かあるんじゃねえの、妄想じゃないなら」
「だから妄想設定じゃないよ!? 本当に! 本当に居るからね!? 視聴者さんたちから『可哀想に』みたいなコメントめっちゃ流されそうだからやめて!! って言われても、俺、女優さんもアイドルも詳しくないしなあ……うーん……」
「のぞみーるに似てる?」
「いや……あー、でも、雰囲気は割と近いんかな、何というか、こう、ふんわりした可愛さはある……」
「今度紹介して」
「やだ、キヨくん絶対惚れちゃうもん」
「チッ、やっぱり妄想か」
「妄想じゃっ、ないっ!!」
「じゃあー、ゲームのキャラクターとかでも良いから」
「ゲームのキャラかあ、んー……そうやなあ……──あっ! ドレディア!!」
「どれ、何て?」
「ぽけもんに出てくる草タイプの、お花のお姫様みたいな感じの、めっちゃ可愛いやつ。アレがいちばん雰囲気似てると思うわ! うん!」
「例えがぽけもん」
「お花屋さんの娘さんやしなー、キレイハナなんかも似合いそう」
「せめて人間のキャラで例えろよ」
「そう言われても、いちばんドレディアがしっくり来たし……。お花と黒髪ロングがよう似合う、お淑やかな良い子なんですよー」
「どんどんギャルゲーのヤンデレ幼馴染みっぽい設定増えてくなあ」
「設定ちゃうわ、本当にそういう子なの。本当に」