第2章 僕よりも
僕よりも小さなその歩幅、自然と僕は合わせてるんだ。
気付けば、いつも君を追っていて。
君のその笑顔に何回も救われている、
「今日、ゆうくんの好きなカレーだよ」
笑顔でそう答える君。
僕の好きな笑顔で、僕の好きなものを作ってくれる。
それがすごくうれしくて、僕はついつい綻ぶ。
「ゆうくん、にやにやしてる。」
「えー?いいじゃん。幸せなんだもん」
「ふふ、そっか」
微笑みながら言ってくれるそんな君さえいてくれれば僕は何もいらないかもしれない。
君がくれるもの全てがこんなに愛おしいんだから。
僕の好きな物を作ってくれる、与えてくれる。
僕の全てを受け入れてくれるそんな君が、僕は世界一大好きなんだ。
「おなかすいたなあ、早く帰ろ!」
少し早めに歩き出す僕に、つられて早く歩く君。
パタパタと歩く君が本当に愛おしくて、抱き締めたい。
今日の、カレーはいつもより少しだけ甘い気がするなあ。
そんな事を想いながら、僕たちは暖かい我が家に戻る。