第4章 地獄ライフで天国を!【カラ松とおそ松】
「次の亡者はまだけぇ~?」
「三途の川でトラブルがありまして……」
補助役の鬼がワタワタしながら裁きの間に入ってきた。
グッドタイミング!と桜はニヤリと笑った。
「あっ、お昼休憩行ってきまぁ~す♪」
「……桜~?」
「はい♪」
呼ばれて振り向き様にきゅるんと目を輝かせる桜を見て、閻魔はため息をついた。
閻魔「トラブルはほどほどになぁ~」
地獄の門を通り、朧車タクシーを捕まえる。桜は食事処で降りずに亡者達が刑を受けている場所へ向かわせた。
車から降りるとあちらこちらの鬼達から桜は声をかけられた。
「皆お疲れ様♪」
「おっ、どうしたんだ?」
「桜様!今日も可愛いな♪」
「俺と遊んでくれよぉ~桜様~」
「また今度ね♪」
ニコニコと手を振り笑顔を振りまきながら、キョロキョロと亡者達の姿を確認する。
「ア"ーッ!!!」
乳首から血を噴出してる六つ子の亡者を見つけた。
「何なのっ!?俺の乳首の扱いっ!?
世界に二つしかないのよ?!超必須アイテムよ?!何度も何度も……」
シクシクと大切そうに胸に手を当てながら、自分の乳首を労るおそ松。
「はい、ウルサーイ」
そんなおそ松に遠慮することもなく、目の前の女の鬼はおそ松の乳首を引きちぎった。
「ア"ーッ!!!」
「ふふっ、必須アイテム?……童貞なのに?」
「へ…………?」
おそ松が涙目になりながら横を見ると、気づけば口を押さえながらクスクスと笑っている鬼がいる。
「……桜様、こんなところに何しに来たんすか?」
おそ松の乳首を毟り取っていた女の鬼が不信な顔で桜を見た。
仕置きする鬼達にとって桜は上のまた上の上司にあたった。
「んー、視察?」
「は、はぁ……?」
「……あっ!!!君って……たしか、俺らを面接したエロ鬼ちゃんじゃねっ!?」
「ぶっ!?」
「エロ……私もちゃんと名前あるからね?」
はぁーっとため息をついて、桜はジロリと笑った女鬼へ睨みを利かした。