第2章 悪い子チェック【カラ松】
裁きの間では六つ子達が、閻魔大王の前で地獄行きを押し付けあっていた。
「……んで、結局誰が地獄行きだべ~?」
「「こいつっ!!!」」
もちろん六つ子全員が自分以外の兄弟に指を差す。そうゆうところが地獄行きだとは思わないのだろうか。
ただ閻魔もこの六つ子には少し…ほんの少し、一緒に過ごしてた日々の情が湧いている。
だから、こんなにも時間をかけてやってるのだが……
「しゃーねぇ、秘書官の鬼に面接してもらっから、ちょーっと待ってろぉ~
……桜~」
裁きの間に閻魔の声だけが響く。
「「………?」」
「桜~……
……………なーんで、来ねーべ?」
最初から裁きの間にいたメガネをかけた鬼が口を開く。
「交代を頼まれて3時間ほど帰ってきてません」
「またぁかぁ~
……桜ーーっ!!!」
バタバタと走る音とともに天国の扉がギギギーっと開く。
「……よ、呼んだぁ~?」
「「っ……!!!???」」
天国の入口から現れた鬼。
息を切らしながら出てきた彼女は頭に小さな角がついている。そして、何故か衣服が乱れきっていた。
「まぁーた、おめぇは天国のやつに、手ー出してたなぁ~」
「だぁって~
地獄の辛いのばっかり食べてたら、甘いのも食べたくなるでしょ?
でも、ちゃんと呼ばれたら飛んで来たよ?
それとも……私にオシオキする?」
「あ、ああ……あとでなぁ~」
「閻魔様、桜に甘過ぎます」
閻魔大王のデレデレに鬼がため息をついた。