第9章 第八話
「仕方ないですよ。アラジン達だってそうだったじゃないですか…」
ジャーファルがため息混じりにそう告げると、シンドバッドは、そうだ!と何か思いついたように立ち上がった。
「ねぇねぇモルさん。これってあのパターンだよね?」
「その可能性が高いですね」
「なんの話してんだお前ら?」
アラジン達信号機トリオのそんなヒソヒソ話をよそに、シンドバッドは力強く自身の武勇伝を語りだした。
「幾重にも冒険と航海を重ね!世界の七つの海を冒険し!7つの迷宮(ダンジョン)を攻略して自らの国を打ち立てた男!七人のジンの主、七海の覇王、シンドバッド!!
……聞いたことないかい?」
「…あ!!」
(((お?!)))
少し考えた後、エルアが声をあげたので皆何かしらの意を込めてエルアを見る。
「……えーと…」
が、何故か、言いにくそうだった。
「よくよく思い出してみれば、そんな話をジュダルから聞いたことがあるんですけど……」
(((あぁ〜、アイツから聞いちゃったか〜)))
何が言いたいのか、ジュダル、という単語だけでその場にいた全員が理解した。
「バカ殿、と…。まさかあなたの事でしたか……」
「」
ガーン、という効果音がつきそうなほどシンドバッドは目を点にする。
さらに。
「そういった話も聞いたりしたんですけど、どっちかというとー、そのー、あんまりアレな話をよく聞かされました…『会ったら気をつけろ』とも…」
「アレな話?」
アラジンが首を傾げると、エルア。