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繫がる物語

第8章 第七話


「くっ…!あいつら何処へ…この感じだと、まだ遠くには行って………?!」
 エルアが二人を追いかけようとするのと同時に、フラッという感覚にエルアは襲われた。
(うわ、しまった…まだ完治してなかった……) 
 どうやら、まだウーゴ君との戦いでの消耗が完全に消えていた訳ではなかったらしく、百合神楽の始解が解け、エルアは真っ逆さまに落下していく。

「エルアお姉さん!」
 地面と激突する、と思った瞬間、どこからともなく現れたクーフィーヤを被った男がエルアをキャッチした。
「大丈夫ですか?」
「ありがとう…ございます…」
 エルアがお礼を言うと、男は少し微笑んで、
「礼には及びません。間に合ってよかった」
 と言った。

「ジャーファル!」
「シン!これは一体…」
「あぁ、話は移動しながらだ。急ぐぞ!」
「このコはどう━━━」
「僕達に任せて、ジャーファルお兄さん。もうきっと、ここは安全だし!」
 アラジンがクーフィーヤを被った男、ジャーファルにそう提案する。
「そうですか。では、すみません、すぐ終わらせますのでここで…」

 ジャーファルがそう言ってエルアを降ろそうとしたところで、ジャーファルはエルアが寝てしまったのに気がついた。
「恐らく、こないだの戦いがまだ響いていたのだろう…
アラジン、頼んだぞ」
「うん!」
「いくぞ、ジャーファル!」
「はっ!」
 顔を合わせ頷くと、二人は王宮から駆け出した。

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