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繫がる物語

第7章 第六話





「何事ですの…?」
「王宮の方が騒がしいですな…」

 フッとエルアが目を開けると、大きな真紅の天蓋が目に入った。

 どうやら自分はベッドに寝かされているらしく、また、近くで紅玉と夏黄文が何やら話しているのが聞こえた。

「紅…玉……?」
「エルア?!起きたのね!」

 エルアが呼びかけると、紅玉はその大きな目から涙を零さんばかりに溜めて、エルアに抱きついた。
「もぉ…!すっごく心配したのよぉ〜!!」
「うん…ごめんね、紅玉」
「ほんっとに、無事でよかったわぁ…!」
「姫様、あまりしては、エルア殿が」
「そうだわ!ごめんなさいエルア…」
 夏黄文にそう言われると、紅玉はすぐにエルアを離した。
「二人共目を覚まさないから、嬉しくて…」
 二人共、という言葉を聞いて、エルアはハッと思い出した。

「そうだ…!ジュダルは?!アイツは無事なの?!」
 ガバッと勢い良く起き上がる。
 いきなりの動きにわたわたとしながらも、紅玉は告げる。
「お、落ち着いてエルア!ジュダルちゃんなら、夏黄文が治療してくれたから容体は安定してるわ…エルアの隣のベッドで寝てるわぁ」
 そう言われて、見ると、そこには確かにジュダルが寝かされていた。
 ただし、よほど酷かったのだろう。体の至るところに包帯が巻かれていた。
 だが、取り敢えずは無事であったこと、にエルアは
「…そっか……よかった…」
 ぽふっと後ろに倒れつつ、安堵の笑みを浮かべた。

「そういえば紅玉。私と戦ってたウーゴk…いや、巨人はどうなったの?」
 そう尋ねると、紅玉はきっぱりと
「私がやったわ。魔装で」
 と答えた。
「だって、私の大切な友達に手を出したのよぉ?私が行かないと気がすまないわぁ」
 そう断言した紅玉を見て、エルアは一瞬だけ表情を曇らせる。


「…そっか。にしても、あれをやるなんて中々じゃない紅玉!」
「本当?!まぁ、ジュダルちゃんとエルアとの戦いで消耗してたのもあるでしょうけど、ありがとう…嬉しいわぁ」
 が、悟られないように笑みを浮かべて紅玉を褒めつつ、エルアはあの時の青髪の少年を思い出すのだった。


(あの子は今、どうしてるのかな…)

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