第12章 彩雲
レギュラー番組収録の日
一緒に現場入りした俺たちは、仲良く楽屋に入っていった
「「おっはよ~♪♪」」
綺麗にシンクロした挨拶に、先に来ていた3人もそれぞれ応えてくれた
荷物を置くと、コーヒーを入れるために部屋の隅へ…すると、
「リーダー、チョコのケーキ、あるよ」
「えっ、マジで?」
ニノがゲームをしてるその横で、相葉くんと箱の中を覗き込む智くん二人の声が聞こえた
「あっ、なんか、リーダー薔薇の香りがする…」
「ホントに?…じゃあ~、あれだな…
夕べ翔くんと一緒にお風呂入った時…」
「ばっっっ///」
智くんのまさかのカミングアウトに、大慌てで彼の口を塞ごうとしたけど…
時すでに遅し…
「翔くん先に花びら、バラバラにしちゃったんだよ~」
……あ、なんだ、そんなことかよ…
でも、しっかり3人の視線は、俺たちに…いや、俺に集中し、
「薔薇の入浴剤って、ロスで翔くんが買ってたやつでしょ?」
「二人でお風呂入って、言われちゃ困るようなことしてたの~?」
ニノと相葉くんが、ニヤニヤしながら言った
「あ、いや、困ることなんて、何も…」
「俺は、単純に薔薇のお風呂はどうだったのかって、聞いてみただけなのに…」
…ちっ…ニノのやつ…
「どうだったの~?リーダー?泡の中で、盛り上がったんじゃないのぉ~?」
「まあね~…でも2回目だから軽くね♡」
……智くん…君って…
俺の頭の中では、西野カナちゃんの歌のサビが響いていた
さっきから何も言わない松潤が気になって、そっと表情を見ようとしたその時、
「いいけどね~、VSの前日は程々にね♪翔くんのカッコ悪いクリフクライム、大野さんだって見たくないでしょ?」
そう、笑いながら会話に入ってきた
「あ~、確かにね~…」
同意する智くん
「あ、あれはエンタメだから!皆さまに楽しんで貰おうとワザやってんの~…」
「でも俺、残念な翔くんも可愛いいから、大好き♡」
……智くん、それ褒めてないからね
ニノも、相葉くんも
松潤も笑っている
俺と智くんを囲んで……
俺、今、凄い幸せかも……
温かい空気に包まれた5人の空間…
窓からは、午後の青空に
七色の彩雲がキラキラ輝いていた
ああ〜……
何かいいこと、ありそうだな………
【END】