• テキストサイズ

kagero【気象系BL】

第1章 風花


翔ちゃんは、じっくり時間をかけて後ろを解してくれた。

最初は気持ち悪いだけだったのが、段々と気持ち悪さは薄れてきて。

「は、ぁっ…んあ…」

だらしなく開いた唇からは、自分のじゃないみたいな嬌声が漏れる。

でももう、恥ずかしさなんてどっかすっ飛んでっちゃって。

ただ、その場所からじわじわと波紋みたいに広がっていく快感に、ゆらゆらと揺らされるだけ。

「雅紀、気持ちいい?」
「…ん…」
「…可愛い…」

囁く翔ちゃんの瞳はとっても優しくて。


まるで、愛おしいものを見るように揺れていて。


そんなわけ、ない…

だって翔ちゃんはノーマルなんだ。

なんでこんなことになってんのか、意味分かんないけど。

これは、一夜の夢。

もう葬り去ったはずの過去の恋に、気紛れな神様が最後の思い出をくれてるだけなんだ。

だから、今日だけ…
この一瞬だけ。

過去の夢に浸っても、いいよね…?

帰るから。
ちゃんと、帰るから。

今の俺の、いるべき場所へ。

俺を心から愛してくれる、君の元へ。



ニノ…
ごめんね…



一粒零れた涙に、ニノへの謝罪の言葉を込めて。

俺は手を伸ばした。

「もう、きて…翔ちゃんが、欲しいよ…」

広げた腕に、戸惑いもなく翔ちゃんが飛び込んでこようとして。

「あ…ゴム、着けなきゃ」

だけど急に思い立ったのか、慌ててベッドを降りてった。

素っ裸でちょっと焦り気味にサイドチェストをゴソゴソ漁ってる背中が、なんだかちょっと可愛くて。

小さな袋を手に、いそいそとベッドへ戻ってくる姿が愛しくて堪らなかった。

「貸して?着けてあげる」
「あ、う、うん」

袋を開け、翔ちゃんの元気満々なソイツに、くるくると巻き付けてやる。

それを、翔ちゃんは少し恥ずかしそうにじっと見つめてた。

「…いいよ…きて…?」

自分で両足を大きく広げて、誘うと。

翔ちゃんの喉が、ゴキュッと大きな音を立てた。


/ 351ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp