第1章 風花
【雅紀】
『しょーちゃん!俺、夢みたい!しょーちゃんと一緒のグループでデビューできるなんて!』
『あぁ…そうだってな…』
『これからヨロシクね!この名前みたいに、世界中に嵐を巻き起こそうね!』
『…ダッサ…』
今でも鮮明に覚えている
俺は君と同じグループになれたのが嬉しくて…
例えこの思いが届かなくても
ただ傍にいられる
そのことが嬉しくて…
はしゃいでる俺を見る冷めた視線を感じても、それでも良かった
もうとっくに捨て去った
淡い初恋
俺は翔ちゃんが好きだった
「…っあ…まって…」
止めようと手首を掴んだけど、翔ちゃんの指は遠慮なく俺のナカへと入ってきた。
「んんぅっ…」
「うわ…狭っ…」
ひどい異物感に襲われて、思わず腰を引こうとした。
「や、やだっ…気持ち、悪いっ…」
だけど、腰をしっかり掴まれていて、出来ない。
「すごい…うねってる…」
「やぁっ…しょ、ちゃんっ…やめてっ…」
頼んだのに、翔ちゃんの指は遠慮なく狭い肉壁をこじ開けるようにして、奥へと進んでくる。
「雅紀…もしかして、初めてなの?」
「んっ…や、だっ…」
「ニノに入れられたこと、ないの?」
「だ、って…ニノとは俺が…上、だから…」
最初の時に、なんとなくそういう流れになって。
それからずっと、変わらなくて…
「も、もうっ…こんなこと、言わせないでよ…」
恥ずかしさに顔から火が出そうで、両手で顔を隠した。
「…雅紀…顔、隠さないで」
でも、優しい声に呼ばれて、恐る恐る指の隙間から翔ちゃんを仰ぎ見る。
「嬉しいよ…雅紀のハジメテ、俺がもらえるんだ」
そう言って微笑んだ翔ちゃんは、ドキドキするくらい男っぽくて色っぽくて。
それを見てたら、気持ち悪いのも少し薄れてきて。
「しょ、ちゃん…」
腕を伸ばすと、ぎゅうと抱き締めてくれた。