第6章 霧海
【雅紀】
ローションを付けた指先で、俺を受け入れる予定のその入口をくるくる撫でてやると、ピクピクと何度も震える。
「ねぇ、早くっ…」
待ち切れなさそうに腰を揺らすニノが、すっごいエロくて。
もっと、見たくなった。
「早く…なに?俺、バカだからわかんな~い」
わざと惚けると、振り返って睨まれた。
でも、もうその瞳の奥はこれからくる快楽を待ち侘びるように揺れてて。
「なぁに?」
「…おまえ、ホント、バカ」
「そうだよ~?だから、一から十まで言ってもらわなきゃ、わかんないもん」
いつもの口癖を逆手に取って追い詰めると、悔しそうに唇を噛む。
「…入れて…」
それでも、我慢できないのか、顔を真っ赤にしながら小さく呟いた。
「なにを~?」
俺はやっぱり入口の部分を撫でながら、その先を促す。
ヤバイ
ぞくぞくしてきた
こんな従順なニノちゃん、滅多に見られないかも
「…雅紀の…指…奥まで、欲しい…」
俺を睨みつつも、その唇は欲望に忠実に言葉を吐いた。
「うん…いいよ、あげる」
指先をプツリと差し込むと。
「あっ…」
また、ぷるっと小さく震えた。
入口を拡張するように動かしながら、ゆっくりと最奥を目指す。
「あ…あ、あ…」
クリームパンみたいに、柔らかくて可愛い手が、ぎゅっとシーツを握ると、彼の周りに波紋のような模様が出来た。
その中心で、真っ白な雪のような肌が、ホンノリとピンク色に染まってきて。
すごく、キレイ…
思わず、手を止めて見とれてしまった。
「やっ…まさ、き…もっと…」
少し苦しげに吐き出した言葉は、もう甘い吐息で彩られている。
「…ニノ…とっても、きれい…」
思わず零れた言葉に、また震えた。