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許嫁は戦国武将〈イケメン戦国〉

第5章 十三夜月


葉月は半身に構え、元手(石突側の手)を後ろ足の付け根に置き、切先で相手の鳩尾を狙うように構える
基本的な構えであり、攻撃にも防御にも転じやすい中段の構え
対する利家も木刀を中段に構える


「では....始め!」


先手必勝っと葉月は構えた切っ先を鳩尾目掛け突き出した


「おっ速いな!」


利家が横に避け踏み込んでくるが
こちらは木刀のリーチがある分有利
スッと後ろに下がり
突き出した木刀を横に凪ぎ払う


「くっ!?」


ぎりぎりで避けられ間合いをとられる


『まだこれからですよ利家様?』


にこりと微笑み素早く突きを繰り出す
利家は繰り出される突きをすべて避け
葉月の上段から振り下ろした木刀を弾き飛ばした


「勝負あったな葉月
これでお前は俺のもんだな」


木刀を肩に担いで不適に笑う


「葉月の負けみたいだな」


「嫌、よく見ろ政宗」


木刀を飛ばされても表情を変えない葉月
肩幅に足を開き両手を腰の横に持っていき大きく息を吸い込む


『まだ勝負はついていません。まいります』


ダンッと踏み込み一気に距離を詰め懐に入り込み顎目掛け掌底を打ち込む
後ろにのけ反りぎりぎりで交わした利家が一歩下がり
担いでいた木刀を振り下ろした


「終わりだ!?」


『それはどうかしらっ!』


葉月は左足を軸に回転しながら利家の木刀を持つ手首に蹴りを入れる
持っていた木刀が蹴りにより天井に突き刺さった
回転の勢いを殺さず思いっきり右側頭部に回し蹴りを叩き込み利家を壁際までふっ飛ばした


「グッ!」


葉月は転がった利家の腹の上に跨り動きを封じた


「そこまでです
葉月様の勝利です」


「狡いぞ葉月」


『あら、別にズルなんかしてません
木刀が無くとも手足があれば十分戦えます
それよりも思いっきり蹴とばしてしまったけれど大丈夫?』


利家に跨ったまま前のめりに顔を近づけた


「葉月そんな奴の心配なんかしなくていい」


ぐいっと葉月の腕を引き利家から引き離した


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