第5章 十三夜月
『っと言う訳で家康にも協力してもらいたいの』
「は?なんで?面倒くさい」
「そこをなんとかお願いします!!?」
仕事が終わった家康が桜花の部屋に
葉月迎えに行くと簡単な説明と協力をお願いされた
「はあ...
で、具体的に何したらいいの?」
『まずは秀吉さんに恋仲の人がいるか確かめてほしいの』
「そんなの調べなくても分かるよ」
『私もそう思うんだけどね念のためお願いしてもいい?』
「お願いっ家康!!」
可愛く小首を傾げる葉月と鬼気迫る表情で必死にお願いする桜花
家康は仕方なく首を縦に振った
『ありがとう家康
それじゃあ早速行ってきてね』
スッと立ち上がり部屋を出ていく家康だったが不意に振り返った
「葉月」
『なあに家康?』
「後で報酬もらうから」
フッと微笑んで歩いて行った
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「よう家康、なにしてんだ?」
「秀吉さん見ませんでしたか?」
部屋を訪れるももぬけの殻で
秀吉が行きそうな場所を探し歩いていた
「見てねえな、まだ居るだろうから
飯の時間になりゃ広間に来るだろ
お前らも飯食っていくか?」
「そうですねお願いします」
「了解!
お前のは辛めに作ってやるから
あんまり唐辛子かけるなよ?」
「...約束は出来ません」
「ところでなんで秀吉探してるんだ?」
「葉月に頼まれて
聞きたいことあるだけです」
「なんだ桜花のことか?」
愉しそうに口角を上げて笑う
「ええそうです
"恋仲が居ないか確かめて"と」
「確かめるまでもねえだろ?」
「俺もそう言いましたけど
"念のため"だそうです」
「良いこと聞いたな
少しからかってやるか」
良からぬ事を思いついたのか政宗は至極愉しそうに笑みを浮かべた