第5章 十三夜月
「ちょっ謙信様本気ですか!?」
謙信の言葉に思わず腰を上げて叫ぶ
「俺は本気だが何か問題でもあるのか」
「大翔さんが無事に城で過ごせるのかと言う所でしょうか」
「えっ何々?どう言う意味だ佐助」
「謙信様は処構わず刀を振り回して鍛錬を強要してくるんです」
「鍛錬か~まあ頑張るわ
郷に入れは郷に従えっていうだろ?」
「ほう、女々しい奴だと思えば中々見どころがありそうだな」
「アイツが謙信様の相手してくれんなら
俺の負担が減って助かるから良しとするか」
「可愛い天女が良かったんだがな」
謙信の鍛錬がどういう物か知らない大翔をは呑気に笑う
「話は纏まった様だな」
「大翔元気でね~」
「ああ、桜花も元気でな葉月もな」
『ええ』
「あっそうだ家康さん!!」
立ち上がって歩き出すが振り返り声をかけた
「なに」
「首弱いって知ってる?」
「意味不明なんだけど」
ニヤッとしながら首をトントンと叩く大翔に
意味が分からず眉間にしわを寄せた
「そっか~まだなんだな」
「なにがまだなんだ?」
うんうん一人で頷く大翔に不審な目を向ける
『...余計なこと言わないでさっさと行きなさい』
「行くぞ佐助」
「はい謙信様。では皆さん失礼いたします」
「天女また会おう」
「はいはい。行きますよ信玄様」
謙信、佐助が出て行き葉月と桜花に笑顔を振りまく信玄の背中を押して幸村も出ていく
「え~皆さんどうもお世話になりました?」
「なんで疑問形なんだよお前!」
「あははっまあ兎に角また会うこともあると思うので
これからもよろしく!
それと家康さんさっきの葉月に聞けば分かるから」
じゃあな~と謙信たちの元へと小走りに走り去っていった