第4章 弓張月
奇襲を仕掛けたはずの顕如を
織田軍、上杉武田軍が包囲する
「葉月は返してもらうよ」
右側面から家康と政宗が
「お待たせ」
左側面から佐助と幸村と信玄が
「桜花を返せ!!」
「桜花様お迎えに参りました」
後方からは秀吉と三成が
前方からは信長と謙信が
敵をなぎ倒しながら顕如を囲む
「いいのか?女が怪我をするぞ?」
「わぁっ!」
グイッと桜花を引き寄せニヤリと笑う顕如と
葉月の腕を持ってにこやかな微笑みを浮かべる大翔
「やるか葉月」
『そうねやりましょうか大翔』
大翔が刀を葉月目掛けて振り下ろした
「「「!!?」」」
其処にいた誰もが斬られたと思ったが
次の瞬間葉月は佐助の名を呼び左手を差し出した
「了解」
どこに隠し持っていたのか不明だか
佐助は薙刀を投げて寄越した
くるくると頭上で数回回した後
目の前にいた男に一発お見舞いした
「は?」
顕如の部下は何が起こったのか理解ができず
倒された男と葉月を見た
「大翔!何をしている女を取り押さえろ!?」
「それは出来ないな~
俺は葉月側の人間だからな」
「うきゃ!?」
にっこり微笑んで顕如を蹴飛ばし桜花を引っ張って取り返した
「ありがとう大翔」
「いえいえどういたしまして」
大翔と桜花を背に挟んで
顕如の部下を二人で薙ぎ倒していく
あっという間に立っているのは顕如一人になった