第3章 三日月
弟である佐助のみが本来の性格を知っている
現代にいるとき両親から完璧を求められ
半端ないプレッシャーをかけられていた
この戦国に来てからも義父の為にと頑張ってきたのだ
「......そっちの方がいいんじゃない」
『...ほんと?
ありがとう家康』
振り向きふんわり微笑むと顔を赤らめフイッと顔をそらされた
「...水路は出来たの?」
『あとは河川と繋げて完成』
「そ、帰りは三成の馬じゃなく俺の馬に乗せてあげる」
『うん!』
にこにこ嬉しそうに微笑む葉月を見て
家康も頬を緩ませた
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「葉月様、三成様この度はありがとうございました」
『いえ、村のみなさまが頑張った結果です
また何かあれば報告してください』
無事に河川に繋げることができ村の水不足は解消された
長老の家を出て荷物を持ち厩に馬を引き取りに行く
「三成、葉月は俺の馬で帰えるから
お前は先に帰って報告して」
「でも家康様お怪我は大丈夫ですか?」
「うるさいもう治った」
「短時間で完治するとはさすがですね家康様
では、御殿でお帰りをお待ち致しております」
「別に待ってなくていい」
『三成君気をつけてね』
「さっさと帰れ」
「はい。家康様ありがとうございます」
「なんに対しての礼なの?」
にこやかに去っていく三成に家康は溜息を吐き馬に跨った
「ほら、手出して」
『うん。ありがとう家康』
引き上げられ家康の前に横向きに座った
グッと腰を引き寄せられポスンと家康の胸に頭をあずけた
「じゃあ帰るよ」
そう言うと馬を走らせた
一刻半ほどで来た道のりを二人はゆっくりと帰って行った