第3章 三日月
三成が立候補して一緒に村に向かうことになったが
まずは了承を得に秀吉の御殿に来ている
「葉月お前今なんて?」
『あら聞こえませんでしたか?
村の様子を見に...』
「村の様子を知りたいのは分かった
が!わざわざお前が行く必要があるのかってことだ!」
『実際に行ってみないと状況が分かりませんし』
「それはそうだが...」
「秀吉様、葉月様のお供してもよろしいでしょうか?」
「三成が一緒に行くならまあいいだろう。
3日だ。それ以上の滞在は認めないいいな?」
『ありがとう秀吉さん』
「では直ぐに出立の準備をいたします」
『一度帰って家康に報告してきます』
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「は?バカなの?」
『あら心外です』
肩に羽織をかけ上半身を起こした家康に
村の様子を見に行くと告げるとため息を吐かれた
「期限は3日。供に三成をつける」
「よりによって三成...」
秀吉の"三成"と言う言葉に眉間に皺を寄せた
『家康は安静にして早く怪我治してね』
「そう言う訳だ諦めろ」
「....わかりました
無茶だけはしないように」
『ふふっわかってる。いってきます』
「....気を付けなよ」
ボソッと言った言葉は確かに二人の耳に届いた
「家康はもうちょい素直になればいいのにな」
『あら、最初に比べれば随分距離は縮まったと思いますよ?』
部屋から出て歩きながら家康の話をした
入口には準備が終わった三成が待っていた
『お待たせ三成君』
「何があるかわからない十分気を付けろ」
「はい承知しております」
馬に跨った三成の手を掴むと
グッと引き上げられ三成の前に座らされた
葉月が少しの手荷物を膝の上に置くと
三成は片手を葉月の腰に回しもう片手で手綱を引く
「秀吉様行ってまいります」
『いってきます』