• テキストサイズ

許嫁は戦国武将〈イケメン戦国〉

第9章 立待月


「謙信様、信玄様
ようこそおいで下さいました」


信玄は慰問するため謙信を引き連れ北条城を訪れていた


「夜盗は早々に殲滅した」


「ありがとうございました
これで娘も報われます」


座ることもせずに開口一番に謙信は北条に告げた
北条は淡々とお礼を述べ謙信たちをもてなし始めた


「謙信、俺は先に失礼する」


謙信に断りを入れ部屋を出ていくと
目指すは北条の正妻、葵の母の元へ向かった


「いらっしゃいませ信玄様」


「やあ、君の大事な宝物の姫君に
春が訪れたようだよ」


「そうですか.....
葵はちゃんと好いた相手のもとへ
たどり着けたのですね」


「ああ、心配いらない
大翔が幸せにしてくれる」


「信玄様...葵を
娘をよろしくお願いいたします」


涙を流しながら深々と頭を下げた


°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°


「謙信様、葵と申します
これからよろしくお願いいたします」


「....知っていると思うが
春日山城は女人禁制だ」


「昨日までだがな」


「黙れ信玄、余計なことを言うな斬るぞ」


横からちゃちゃを入れる信玄をぎろりと睨みつけた


「この城にいることを許してやる」


「ありがとうございます謙信様」


「では、俺が造った新居に案内します
ついて来て下さい」


「はあ!お前
いつそんなもん造ったんだよ!?」


「企業秘密です」


「必要以上にうろつくな」


そう言って謙信はさっさと出て行ってしまった


「謙信の許可を得られた良かったな~」


「そうですね」


「あの...どういうことでしょうか?」


「城の中を自由に歩いていいと言うことだよ」


「謙信は捻くれてるからな~」


さあ行きましょうかと佐助に案内され
これから二人で過ごす離れへと向かった


「大翔様
不束者ですがよろしくお願いいたします」


いつも山裾で俺を待っていた葵
これからはここで俺の帰りを待ってくれる
新たな一歩をここから始めよう
俺は君を照らす月になる


/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp