第3章 3
墓の前で両手を合わせる母様を見て、私達も墓に白玉を置いて手を合わせた。
後から合流した仲間たちも手を合わる。
どれ程時が経ったのだろう、母様は急に立ち上がると口を開いた。
「恋次くんたちも、今日はうちに泊まりなさい。」
その背中が女性ながらも、広く、大きく見えて。
「素敵だ……」
「ん?ルキア、何か言いましたか?」
「い、いえ、なにも!!」
「そう?」
母様みたいな女性になりたいと思った。
憧れであり、理想であり、崇拝でもあり。
母様のように、強く、美しくなりたかった。
母様がしてくれるように、母様や、みんなのことを守れるようになりたかった。
その守りたいモノが少しずつ消えて、母様と恋次しかいなくなった頃、私は覚悟を決めた。
「死神に……なろう。」