第1章 きっと無理
「リサ!おーい!」
「待って~」
私には幼なじみが3人もいる。
心晴ちゃん。優衣ちゃん。風ちゃん。
よくこの3人と一緒に恋バナをしている。
相談相手になってくれる人がいるだけで気持ちが軽くなるんだよね。
「やっば!もうちょっとでチャイム鳴るって!」
「嘘!はやくもどろっ」
次の時間は理科だった。
教室に戻れば、私の好きな人が眠たそうに座っている。
私の席の後ろで。
「なーなーリサー話そー」
なんだよこの女同士の絡み合いみたいなのは...
「いーよ」
この女みたいな絡み方をしてくるやつは、山城蒼真(やましろそうま)。私の好きな人だ。
でも蒼真には彼女がいるんだよね。かなちゃんっていう凄~い人が。
美人で可愛くて、小柄でいかにもモテますって感じの。
でも噂では、かなちゃんは蒼真のこと好きじゃないらしい。付き合いたての時は好きだったみたいだけど。
蒼真「今日さ、サバゼやろーな。サバイバルゼット」
「うん」
先生「立花理嗄」
「はーい」
蒼真「今日は勝とう!」
「おう!」
先生「ま。山城蒼真!」
蒼真「はっはい」
先生「喋らずに静かに待っとけや」
蒼真「はい、ごめんなさい」
「wwww」
蒼真「お前笑うなや!」
「怒られてるんやからそぎゃ笑うでしょw」
蒼真「もうっ!」
「ごめんって!ごめんごめん」
蒼真とは、中学に入って知り合った。
今は春休みが終わって間もない3年の4月。
ついに3年、受験生だ。
不安や怖さがあったが、蒼真と今年もクラスが一緒になったおかげで結構話してるから気が楽だ。
蒼真「リサ~」
「なに~」
蒼真「髪の毛ついてる」
「まじかよ」
蒼真「取ってあげるわ」
「あざーす」
蒼真は基本的には名前呼びで女子を呼ばないが、私を含めてごく少数の人を名前で呼んでいる。
クラスでよく話すってだけで、一緒に遊んだりする仲でもないのにな。でも嬉しいけど...♡
いつも話す時の距離が近い。髪の毛も普通に取ってくれるし、前に誕生日プレゼントもくれた。「可愛い」とか、言ってくれることもあった。でも.....
ただの女友達なんだ。