第12章 I miss you〜SJ〜 6

「あの頃の俺は、そんな風に…お前に思わせて、我慢させてたんだよ…な。でも、我慢させてるって事にも気付かずに…この関係に苛立って…何でお前がそんな風になったのかも、考えようとしなかった」

「そんな事ないよ！結局俺がワガママでガキだっただけだし…勝手に我慢して、不安になって、キレて…しょーくんは、何も悪くない」

「だから、甘やかすな、って」

「しょーくんこそ…俺に、甘いよ？」



あの頃は…
確かに、そんな甘さ、見せてくれなかった。
でも、ちゃんと見ていれば色んなところで分かったはずだし、目に見えるものだけが全てじゃなかったはずなのに、俺はそれを見ようとしてなかったから。

でも…ね…

もう、そんな風に、あの頃を悔やんでも仕方ない。
今、こうやって目の前にあなたが俺に触れているっていう奇跡を、感じたいから。



「しょーくん…あの頃よりもずっとずっと…今のしょーくんが、大好き」

「マジ……お前には、敵わねーよ」



愛しさと欲情が混ざった目と掠れた声に、俺の熱もまた一気に上がって、堪らなくて…
無意識に揺れた俺の腰に翔君はニヤリと笑って熱くなったそこに再び指を這わせ、カタチを確かめる様に淫らに動き始めた。



「ふっ…んっぁ…ん」



自分で恥ずかしくなるぐらい鼻にかかった甘い声。
でも、そんな声を出してる姿すら愛しい、って目で見つめられて、その声を吸い取るように甘く唇を啄まれ…

翔君の言葉が嘘じゃないって…
愛されてるって、実感できて…


そしたら、与えられる快感が何倍もの威力を持って襲って来て…もうどうしようもなくて…好きで好きで堪らなくて…



「もぉ…ほしい…。しょーくんが…ほしくて…おかしく、なりそう」

「俺なんて、とっくの昔におかしくなってんだよ」



その声は熱く掠れていて、俺を見る翔君の眼差しにも余裕なんて無くて。
俺を愛してるって…その目を見るだけで十分感じられて、その眼差しだけでイっちゃいそうなぐらいの快感で。



あぁ…
何で今までこの体に触れていなくて、触れて貰えなくて、生きていられたんだろう。

もう、好きで好きで…どうしようもなくて…


もしもう一度あなたを失うような事があったら…
俺はきっと、息する事すらできなくなってしまうって…本気で、思うよ？