第4章 *必然的個性*
§ ユイside §
「え…?」
飯田「何だって?!」
緑谷「雄英に編入?!出来るんですか?!」
轟「説明してください!」
何が何だかわからない私をよそに現雄英生の3人が声を上げて立ち上がる。
「落ち着いて。ちゃんと説明するワン」
3人をベッドの上に座らせてから面構署長が話を進める。
「説明する…と言っても月城さんの雄英編入を決めたのは私なんかよりずっと上の人間だから全てを知っているわけではないワン」
署長よりもずっと偉い人…それこそ国の警察のトップとでも言うのだろうか。
「月城さんは今までに2度、ヴィランに個性で危害を加えているね?」
「はい…」
「この事については世間に出すつもりは無い。でも、高校生ながらも強すぎる"個性"に警察は目をつけたんだワン。この個性なら一流のヒーローになれる、とね」
緑谷「でも…今まで雄英に編入した生徒なんて聞いたことがありません」
「確かにこれは異例の事態だワン。今、ヴィラン連合が動き出してヒーローに引けを取らないヴィランが増えている。正直国も、焦っているんだと思う。そこに優秀な人材が現れたら…」
轟「少し無理をしてでもヒーローに育て上げる、って事ですか」
「そうだワン。しかも月城さんには今まで満足な学校に通えていなかった理由がある。それを世間への説明にすると話していた」
面構署長は申し訳なさそうな顔をして私に言った。
「親御さんからの許可が取れているということで、これはもう決定事項になってしまった。君の意見を聞かずにこんな事を言って本当に申し訳ないワン」
「いえ…お父さんが良いと言ったなら私は大丈夫です。それに私もヒーロー志望ですから、私自身拒否する理由はありません」
世間からは厳しい目を向けられることもあると思う。
今までだったら嫌な顔もしたかもしれない。でも正直私は今少し嬉しい気持ちもある…。心ちゃんとユウちゃんと離れるのは寂しいし事前に言えないのも申し訳ない。
轟くんがヒーローになれると言ってくれてから私はやっと心の底からヒーローを目指す決心がついた。
「では、早速雄英のインターンが終わった後から雄英に通ってもらうワン」
「はい」
そして、数日後私は雄英高校生としての初登校を迎える。