第1章 *プロローグ*
§ 轟side §
【運命の出会い】なんてもの信じたこともなかったし、ましてや考えたことすら無かった。
昔の俺に運命の出会いを信じるかと尋ねても99.9%答えはNOだろう。
でも、もしその0.1%をこじ開けるような奴が現れたのなら?
俺は一生をかけてそいつを愛しぬくのだろうか。愛を知らない俺が。
俺は体育祭が終わった後お母さんに会いに行った。
拒絶される覚悟だって出来ていた。もう見たくないと言われれう覚悟も。それでも一言謝りたくて会いに行ったんだ。
あんなに悩んで覚悟を決めて会いに行ったお母さんはあっさりと俺を許してくれた。俺に笑ってくれた。
その時思った。
運命の出会いというものとは違うけれど、俺の0.1%はここにある。俺にだって0.1%くらい人を愛する気持ちがあるのだと。
これは、そんな俺達が少しずつ愛を知っていく物語———————