第14章 *自尊心と自嘲*
薄暗い森を歩くのは6本の足。
うち4本、二人分の足は自ら動かす事は叶わずに引きずられる形で道を進む。
微かに見える青白い炎が唯一の光。
月の光は森の中では見えなかった。
体が重い
今すぐにでも歩くのをやめてその場に跪きたい
視界が揺れる
ここが何処なのか。果たして正しい道を歩いているのか分からない
寒い
2人を引きずる指の感覚が無い
動きたいのに歩く速度はいつもの半分。
息を吐くと、目の前で揺れたセミロングに霜が付いた。
泣きたいのに涙が出てこない。
体の全てが凍って液体なんて残ってないみたい。
(会いたい……焦凍……)
口が開かず言葉に出来ない願い。
この時、別の場所では爆豪勝己がワープゲートの中へと吸い込まれていた。