第13章 *番外編 Trick yet Treat!*
【番外編 Trick yet Treat!】
§ ユイside §
「明日の夜パーティーに出席する。準備をしておけ」
「はい」
はい。と言ったものの心の中で「え?」と疑問符を浮かべる。
此処は私の部屋の前。
今日は仕事で中々家に帰って来ない父が珍しく帰ってきた……と思ったら珍しく私の部屋に訪ねてきた。
(珍しい事ばっかりだな……)
メニーさんに聞けば、お得意様の社長がハロウィンパーティーを開くのだとか。
しかもパーティーとは別に仮面をつけてダンスパーティーも開くという。言ってみれば仮面舞踏会だ。
(仮面舞踏会とかいつの時代の何処の国なの……)
しかもそのパーティーは欧米文化が好きな社長さんの性格もあってかなり盛大に、沢山の人を呼ぶらしい。
更にその方が所有しているホテル内のホールでパーティーは開催され、参加者は一日そのホテルで宿泊する事が出来る。
しかも親子で来ても一人一部屋というVIP待遇ぶり。
そうなれば新しいビジネスの為にも参加せざるを得ない。
「だからユイ様も一緒に、と。公の場が苦手なのは存じておりますが一日だけ頑張って下さい」
一通り話終えたメニーさんが私に苦笑いをする。
要するに子供も紹介して良い父親だとアピールして良い印象を持たせたいんだろう。
あと私の婚約者候補も探しに。
私がどれだけ駄々をこねたところでこれは決定事項。
あれよあれよと言う間に準備が進み、ドレスを着せられ、髪を綺麗に巻かれて気付けばパーティー会場まで来てしまった。