第10章 *Cultivate love (2)*
§ 轟Side §
大人しく俺に抱かれるユイはまるでこれからの展開を予想しているかのよう。
取り敢えず普通にお風呂に入ってその後にユイの事を食っちまおう、とかそんな事を思っていた。
「ユイ、ここだ。準備はしてあるからゆっくり湯船に浸かっとけ。でも寝るなよ」
頭をコクコクと揺らすユイに語りかけて地面に下ろそうとしたが、ユイの声がそれを阻止する。
「焦凍、私がお風呂入ってる間に寝ないでね」
言葉の意味は言わなくとも分かった。
上目遣いで俺を見上げるユイの顔が赤かったから。
(予定変更……だな)
別に焦らす必要も無いし結局やるんだから今でもいいだろう。
「寝ちまうかもな」
「え、」
「だから今の内に風呂入っとく」
脱衣所を通り抜けて湯船の中にユイを座らせる。
そして俺は湯船の淵に手をつき、ユイを引き寄せて唇を奪った。
「ね……んっ…や……」
「嫌?お前も期待してただろ」
「ちが…服、着たまま……」
白いワンピースは水を吸い込み、湯船から出ている部分はユイの体にべったりと張り付く。
メッシュ生地のワンピースからは下着が透けて見えていて、大人な雰囲気を醸し出していた。
「そうか、服要らねぇな」
ユイを立たせてワンピースを脱がそうとするが、ユイはそれを必死に拒む。
「ユイ、手上げろ。脱がせられない」
「お風呂くらい1人で入れるっ……」
「湯船に浸かりながら寝るかもしれねぇ」
「寝ない!!!」
ここまで来てお預けなんてゴメンだ。
だがユイがそこまで脱ぎたくないなら、と俺は自分の服を脱いでユイと一緒に湯船に浸かった。
湯船に張ったお湯が溢れ出て、代わりに俺が入り込む。
濡れた指でユイの体をなぞると、ユイが小さな声を上げた。
「ひうっ……」
(良い反応だな)
次は両手全体を使ってお腹周りを撫で回すと、ユイの手が俺の手に重ねられた。