第8章 *愛=嫉妬*
私がいたら邪魔になるんじゃないか。
もっと相応しい子と一緒にいた方が笑えるんじゃないだろうか、互いを高めあってヒーローに近づく事が出来るのではないのか。
他の人に渡したくないけど他の子の方が相応しい。
そんな感情をどう処理したらいいかなんて私には分からなかった。
「だから…演習試験怖くて…っ……焦凍の足でまといになりたくなくて……っ…」
上手く連携が出来なかったらどうしよう。
私のせいで失敗したら?さっきは合格出来てたのに今は出来ないないなんて事になれば足でまといだという現実を突きつけられている事になる。
それが怖くて仕方なかった。
私が話している間、焦凍はずっとなだめるように背中をさすってくれていた。一通り聞いた焦凍は跪いて下を向いている私と目線を合わせる。
「ユイ、俺はお前が好きだ。他の誰も見てない」
「分かってる……分かってるけど…っ…」
「俺はお前をいい女だと思ってる。でもそれでもお前が相応しくないって言うなら……
「今から自分が相応しいと思えるような女になればいいだろ?」
「しょう……と…」
いつだってそうだ。焦凍は未来を見てる。
今がダメなら今からで良いと言ってくれる。
私に道を示してくれる。
「それじゃダメか?」
「ダメじゃないっ……」
こんなに悩んでたのに一瞬で解決しちゃうんだもんな……やっぱり焦凍は凄い。私には釣り合わないくらいカッコいい。
(だから今から頑張ろう。焦凍の彼女ですって自信持って言えるくらいの女の子になろう)
「信じてねぇなら今から証明するか?」
焦凍の手が私の頬に添えられる。
信じてないわけないけど、私は少し嘘をついた。
「うん、証明して……?」