第13章 藍色の糸 拾参
尾浜「そうだよ、また一緒に過ごせるんだよ!」
尾浜も抱きついてきた。
三郎「もう、昔の事は引きずるな」
三郎も抱き締める。
兵助「あの時は短い間だったけど、次はずっと、一緒だよ」
兵助も優しく皆を抱き締めた。
結はただただ、涙を流し泣いた。
あの時、雷蔵達は 結を探し回った。 忍術学園に戻ったかもと思い忍術学園に帰ったが、いない。
ふと、あの爆破を思い出す。嫌な予感を抱えて五人は走って爆破した音の方角へ走った。
あの野原に辿りついた。確かにここで爆破した後が残っている。一本の柳の木に行くと、短刀が落ちていた。
すぐ 結のだと解り、ここで 結が襲われたと解った。
結の身に何かが起こった事を知らせる為に忍術学園へ戻り、先生や先輩に伝えたが、誰も 結の事を覚えてなかった。
覚えていたのは、五人だけ。
何もできないまま時が過ぎ、五人は忍術学園を卒業した。そして自分の人生を歩んだ。
そして気がつけば自分達は生き返り、元あった忍術学園に通っていた。
忍術学園にいた先生や先輩に記憶が蘇った事を打ち明けてみると皆もあの時代の記憶があった。
しかも、あの時 結の記憶は消えた筈なのに覚えていたのだ。
何故このような事が起きてしまったのか考えると、 結があの夏祭りの日に何かが起きたのが繋がっているのではと思い、 結が来るのを待った。
が、学園に来た結は記憶が戻っていなかった。
無闇に記憶を引きずり出すのは脳に刺激してしまい下手をすれば一生思い出さないかもしれない。
結が自然に記憶が戻るのを静かに待つしかなかった。
そして今、記憶が戻った。