【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第4章 【短編】Bad luck×××
「先輩!しっかりしてー!!!」
突然耳元で大声がして、俺はふと我に返った。
気が付けば俺が無理矢理押し倒したはずの睦月が、俺の耳に両手を当て叫んでいる。
「え!?何、何なんだ!?」
次に、両の頬をバチンと挟んで叩かれる
「痛ってぇ!!」
「あっ、戻った」
・・・あれ・・・?
なんだ、さっきの・・・?
夢、にしちゃあ随分俺に都合の良い・・・???
クエスチョンだらけの俺に、睦月がほっとした表情で説明してくれた。
どうやら俺はさっきのシャドウの呪文を浴びて、暫く混乱していたらしい。
何やら呟いたと思ったら急に笑いだしたり、持っていた道具を投げ掛けたり・・・
正気に戻った俺が別の意味で混乱しているのを、少しおかしそうに見ている睦月。
じゃあさっきのは・・・。
俺、ヘンな事口走ったりしてねぇよ、な・・・?
そんな不安を口に出せずに、ひとまず皆の所へ戻る事にした俺達。
やば・・・俺、睦月の事そんな目で見てたってコトか・・・!?
思い出しかけて、今はマズいと必死で記憶を振り払う。
「先輩、歩けますかー?」
もし今その言葉に甘えたら、俺は、今度こそ・・・
「い、いや大丈夫だ。心配いらねぇよ!」
まさか俺自身から睦月を守る事になると思わなかった。
自分の運の低さを改めて嘆きながら、俺はクナイを握りしめて皆の待つ場所へと駆けだした。