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【ヒロアカ】"無個性"だけどヒーロー科

第11章 過保護



「で?言い訳でもしてみる?」

職員室に入り、開口一番、流衣はキツい言葉を浴びせた。

マイクもその場にいたが、今回ばかりは何も言わない。
流衣がどれだけ相澤の身を案じているのか、知っているからだ。

しかし相澤は答えない。
代わりに、先での流衣の行動について注意した。

「ああいうのやめろ。関係がバレたらどうするんだ」

負けじと流衣は答える。

「だって!来ないでって言ったじゃん馬鹿!倒れたら…」

流衣の手が震える。
いくらリカバリーガールがいるとは言っても、治癒は本人の体力にかかっているのだ。
ノーリスクでの回復など望めない。
だからこその心配だった。
それを相澤も理解している。

「心配なのはわかる。ありがとな。…だが、あの後で俺が休めば、生徒たちに要らん心配を掛けることになるだろ。俺を心配するのはお前だけで充分だ」

な、と相澤は言った。
声色から判断するに、──微笑んでいるのだろうか。
珍しすぎる。

──俺、いない方が良いよな?

そんな関係ではないはずなのに、なぜかカップルのいちゃつきを見せられている気分になってしまうマイク。
相澤の表情は普段よりずっと優しく──これは流衣と2人のときだけに見せる顔だ──、流衣もまた、余程の事がない限り、相澤にしか感情をそのままぶつけない。

すすす、とさり気なくマイクは2人から距離をとった。
同僚たちに「苦労するね」と笑われることになるのは、そう遠くない話。

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