• テキストサイズ

【ヒロアカ】"無個性"だけどヒーロー科

第13章 備えろ体育祭








そんなマイクとのやり取りを思い出しながら、再度廊下へと続くドアを見つめる。
廊下にはやはり、大勢の生徒たち。

──早く帰りたい。

まだ寝足りないから、早く帰って眠りたい、と。
流衣は心の底からそう思う。

放課後に教室で寝ることは、相澤から禁止されている。
破れば1週間の弁当抜きだそうだ。
なぜかと訊いても、無防備が何だとか、女がどうとか、よく分からない答えしか返ってこない。

首を何度傾げても、弁当の件は本気だからなと凄まれ、流衣は心に誓った。

──教室で寝るのは授業中だけにしよう、と。

理由はよくわからないが、とにかく弁当を食べられないのは困る。
相澤の料理は流衣にとって、退屈な学校生活の中で唯一のオアシスであるからだ。

でも、だからと言って、眠気が無くなるはずもない。

──仕方ない。

ぶわ、と流衣は周囲に意識を集中させた。

そして、白黒の風景を見ながら──すいすい、と。
人混みの中を難なくくぐり抜け、人知れず帰っていった。



/ 288ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp