第1章 第1章 幸せな家庭に生まれたかった
私が生まれたのは、一般的な家庭だった。
優しいお父さん、お母さんがいて幸せだった。
私が小学生にあがり、一緒に通学していた時に運悪く私とお父さんは信号無視した車に跳ねられた。
頭がグラグラする。
痛い、痛い。
だんだん視界が暗くなり、目を覚ますと、そこは白い病室だった。
先生が言うには、お父さんは私を守ろうと私をぎゅっと抱きしめていたらしい。
私を守ろうとしたからお父さんは天国へいってしまった。
お母さんはお父さんが居なくなってから様子が可笑しくなった。
いつも笑顔だったお母さんが鬼のような顔をして、私の頬を叩く。
「お前のせいで!」
「お前さえいなければ!」と言いながら。
ごめんなさい、ごめんなさいと泣きながら謝っても許してもらえず、気の済むまで殴られ続ける日々。