第2章 36歳の俺。
櫻井翔サイド
あれ?
さっきまでいたのに…!
あいつ。どこ行ったんだ?
何とかトイレに行く名目で、
会場の外に出た。
すると。
あ、いた。
「…!!おーい!!」
俺は周りの目など気にせずに
大声で叫んだ。
その声に彼女も振り向いた。
なのに。
それなのに。
タクシーに乗り込み、
行ってしまった。
やっと会えたのに。
でも、俺は決心したんだ。
このチャンスを逃したくないって。
その後、俺もタクシーを掴まえ
家路に急ぐ。
家に着きほっと一息。
ブレンドを飲みながら思い出すのは
の姿。
同窓会という事もあったし
そもそも10年以上もの
歳月が経っているのもあり、
彼女の姿はとても大人だった。