第1章 太陽が輝く理由
「そんな事考えるだけ無駄だって!」
アステリが声を荒げます。
「月は太陽様から炎を奪った悪い奴、それだけだ。」
「そうだよ!その上オイラ達まで殺そうって言うんだ。」
「みんなの言葉を無視して、自分勝手に世界を壊そうとしてるなんて酷い!」
「どうせ何も考えずにやったんだよ。こんな事になるなんて思っても無かったんじゃない?」
みんなの足が言葉とともに前に進みます。
その足はどこか乱暴で、柔らかい雲の表面は少し凹んでしまいました。
「やれやれ・・・。」
シーエは何か言葉を飲み込んで、みんなの後を追いかけます。
「テラレスも早くおいで。」
優しいお兄ちゃんは、いつもの優しい笑顔でテラレスに呼びかけます。
月は自分勝手で、考え無しで、世界を壊そうとしている悪い奴?
・・・悪い奴?
テラレスがみんなの元へ駆け出すと、雲の表面にくっきりと足跡が残りました。